あなたを見上げる無邪気な瞳、あどけなく甘えかかる前足のしぐさ、そして真剣そのものに身がまえる小さな野獣……。子猫ほど可愛らしい生き物が、この世の中にいるでしょうか。抱き寄せて頬ずりをすれば、ひんやりと冷たい鼻先。いつの間にかあなたの腕の中でまどろんでいる小さな友だち……。
あなたも、今までに何度となく子猫を飼いたいと心を動かされたことがあったと思います。決心がつかなかった理由は、住居のもんだいでしょうか。それとも、世話や病気のことで何かしら不安があったのでしょうか。たしかに、最近の住宅事情や生活のパターンは、猫を飼うのに適した環境とはいえなくなってきました。核家族化が進み、集合の高層建築に住む人口は年々ふえるばかりです。また、共働きやひとり住まいの方は、昼の間の猫の管理が心配にちがいありません。交通量の増加と比例して、いたましい猫の交通事故もよくみかけます。
こうした現代の生活のなかで、どのようにしたら人間も猫も幸せに生活していけるか、この本のポイントはここにあります。
猫に興味をお持ちの方、これから猫を飼ってみたいと思う方の参考にしていただきたいものと、心をこめてこの小著を作りました。
《 目次 》
・光のなかで……
・無邪気さと優雅さと
・すばらしき仲間
・ここにも猫が
・猫の話あれこれ
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