緑の風の中で
「あぁ、何ていい香り……」
私はまたひとり言を言ってしまいました。
小さな手作りのハーブガーデンは、今がちょうど花の季節。
耳をすますと、蜜蜂の羽音が聞こえます。
数えきれないほどのハーブの花々が、
光と風の中で微笑みをかわし、
そよ風が葉裏をくすぐるたびに、
さわやかな香りを漂わせています。
古代ギリシアの民が、聖書時代の人が愛したという緑の草、
はるか海のかなたから渡ってきた香り草。
時と空間を超えて私の庭につどいあうハーブたちには、
限りないロマンとすばらしい生命力が、秘められています。
ひと粒の種子を大地に抱かせ、
お陽様のキスとそよ風の子守唄であやしながら、
夢の双葉を育てる楽しさは、
お金で買うことのできない喜びです。
愛しみ、育んでこそわかる異国の香りは、
きっとあなたの生活を、
明るく楽しいものに変えてくれることでしょう。
ハーブを通じて自然の恵みを感じた時、
私もそうだったようにあなたもきっと
やさいい気持ちに包まれると思うのです。
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《 目次 》
・暮らしを彩るハーブたち
・香りの食卓
・香りの手作り
・香りの染色
・香りの健康法
・香る菜園
・上手な育て方
・私が育てたハーブの図鑑
・作り方のヒントと解説
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